O−MORAIMONO箱より
頂き物は大好きです! 特に食べ物は! 好物を頂くのもうれしいですが、これまで食べたことがないものをいただくと新しい発見になります。また次にも食べたいな、今度はどなたかのお土産に役立てたいな、と思ったら説明書きの小さなしおりを箱に入れてとっておくか、手帖のはじっこなどにメモっておくかしていました。でも、ブログで日記をつける機会に、これも記しておけばと思います。なので、本日より我が“O−MORAIMONO箱”をブログに少しずつ移行していきますね。
パスティス
夏に飲みたい食前酒といえばパスティス。フランスの、特に南仏ではポピュラーなカクテルで、ペルノーやリカールといったアニス系のリキュールを水割りにしたもの。原酒は透明で黄色いけど、水で割ると白濁します。これはアニスに含まれている油分が水と混じりあった際に乳濁するから。初めて飲むとかなりクセがありますが、アニス系の香辛料を使ったお菓子を食べ慣れていれば、懐かしい味わいです。フランスでは、子供のころからアニスキャンデーを食べているから、親しみやすいんでしょうね。でも、ポピュラーな食前酒ですが、どうも「おっさん好みの酒」というイメージがあるらしく、日本から来た童顔の女性が「パスティス飲みたい」などと言うと、「え、おねえちゃん、そんなもの飲むの?」という顔を一瞬されます。確かにロートレックなどフランスの芸術家に愛されたアブサン! これもパスティスの一種ですが、かつて、アブサンは中毒になるからと禁断のお酒にされてました。身を滅ぼすデカタンな男の酒のイメージですね。しかし、フランスの湿気のない爽やかな夏に、パスティスを飲むとつくづく幸せな気持ちになりますよ。私はフランスに行くときには日本から柿の種を持参します。あのぴりっと辛い柿の種がパスティスの香味になぜか良く合うのです。ペルノかリカールかといわれるとどっちも好きです。またパスティスってそのもののお酒も売ってるし、アブサンのボトルもみかけます(まだ飲んでませんが)。さて、パスティスにはごちゃまぜにするといった意味があるのですが、確かに水と混ぜると白濁してごちゃ混ぜになった感じがします。でも、フランスでは、南西部に行くとパスティスというと、お菓子の名前でもあるのです。
ガスパチョ
スペイン南部アンダルシア地方発祥の冷たい夏向きのスープです。にんにくをすり潰し、細かくちぎって水に浸したパンを混ぜ、さらにみずみずしいトマトを潰して混ぜ、少量のオリーブ油、ワインビネガー、塩、こしょうで味付けしたものです。トッピングに、カラフルなパプリカやきゅうりのさいの目に刻んだものをトッピングすると色目もきれいです。で、このガスパチョは何はともあれ、パンを入れなければガスパチョにはならないのです。というのもガスパチョの語源は、アラビア語で「びしょ濡れのパン」を意味する言葉だからです。ガスパチョの原形は固くなったパンを水に浸して戻し、すり潰したにんいくを混ぜたシンプルなものだった。トマトやピーマンが加わったのは新大陸発見後のこと。にんにくだけの昔ながらのガスパチョ・ブランコまたはアホ・ブランコといいます。アホはにんにく、ブランコは白いという意味です。