桜沢琢海・料理の誕生

食文化に造詣の深い桜沢琢海が綴る美食事典

パスティス・デ・ナタ

 フランスの南西部でパスティスと呼ばれるお菓子は、練った粉でパイ風あるいはタルト風、バターケーキ風に焼いたもの。そのルーツはポルトガルにあるという。ポルトガルではナタと呼ばれるカスタードパイ風(小型のタルト)の形状でこれがポルトガル領のマカオに伝わり、香港でエッグタルトとして流行したという流れになります。ポルトガル語圏ブラジルでも揚げたパイのことをパスティスと言うそうです。
 パスティス=ごちゃ混ぜというのは粉やたまごやらをごっちゃに混ぜるからで、パスタ(パスティ)とも繋がる言葉なんですよね。