桜沢琢海・料理の誕生

食文化に造詣の深い桜沢琢海が綴る美食事典

タベルナは食べるの大歓迎!

 店名にタベルナとつくイタリアンレストランがあります。レストランなのに「タベルナ」なんて、哲学的です。でも、このタベルナは Taverna と綴ります。イタリア語ですが、元はギリシャ語だそうですよ。
 英語ではTavern(タバーン)と言います。食堂とか居酒屋の意味ですね。
 食卓のテーブルも、もともと、同じ語源でしょうね。というのも、英語はTable フランス語もTable(ターブルと発音)ですが、イタリア語はターボラ(Tavola)ですからね。bとv、rとl って日本人だけがごっちゃにするのかと思ってたら、結構、人間、どこでも、ごっちゃになるものかも。
 タベルナは食事をする店の形態、ターボラは食事をする場所、そして食べる(タベル)は、食事をする行為そのもの。食べるとタベルナは相反する言葉でなくつながっている言葉・・・かと勝手に想像しています。
 「うりはめば こどもおもほゆ くりくめば ましておもはゆ・・・」山上憶良が万葉集で詠んでますが、昔の人は、食べるでなくて、食む(はむ)、食う(くう)、食す(しょくす)と言ったりしてました。
 食べるという言葉は、いつから使ってるのでしょう? 食事はいただくとも言いますが、賜るが変化したという説もあり。
 でも、私、タベルナが語源という、無理矢理な説にロマンを感じます。