桜沢琢海・料理の誕生

食文化に造詣の深い桜沢琢海が綴る美食事典

こ寿々のわらび餅

 鎌倉にある手打ちそばの店「こ寿々」の名物です。おそばもおいしいけど、このわらび餅を目当てに食べに行く人も多いそうです。しおりによると、「わらびの根からとった稀少なわらび粉を使うことにより、独特の香と透明感、とろけるような食感」をつくりだしているといいます。確かに、ぷるるんとした弾力と粘りがあって、何もつけずに食べても清涼感がありました。冷蔵庫でつめたく冷やし、黒蜜ときな粉をかけて食べたらさらにおいしくいただけました。
 実はわらび餅は子供のころから大好物。小学校から帰ると3時のおやつに母が作ってくれました。確か夏場は「わらび餅」、秋になると春までは「白玉団子」だった思い出があります。両方ともきな粉と砂糖をかけて食べました。黒蜜みたいなおしゃれなものはなくて・・・・・・。それでも幸せなおやつタイムでした。