桜沢琢海・料理の誕生

食文化に造詣の深い桜沢琢海が綴る美食事典

フライパンで簡単プルコギ 

 専用鍋がなくても、家庭でならフライパンを使って、けっこうおいしいプルコギが作れます。釜山の郊外のお店で教わった作り方を自分流にアレンジしています。
 決め手はおいしいタレに予め肉をしっかり漬けておくことに限ります。で、おいしいタレですが、基本は醤油+ごま油+砂糖。分量はアバウトでいいと思います。ボウルにすき焼き用の肉(私は廉価な赤身の多い切り落とし)を入れます。おいしいので、1人120〜150㌘は食べられますよ。で、まず、醤油は肉全体に行きわたるくらい。あんまりざーっとかけないでおきます。次にごま油。これも肉全体になじませる感じで。油は控えめにと思わず、やや大胆に。次に砂糖ですが、これはかなりたっぷりかけます。うっかり多すぎても平気です。でこの時点でまずは調味料と肉を混ぜてなじませ、あとは好みですが、私は焼酎(ウイスキーでもブランデーでもいいですよ)、みりん、そしてお酢も適量入れます。まあ、そんなに多くは入れません。みりんはツヤ出しに、酒や酢は肉を柔らかくして香りよくしてくれます。で、最後ににんにくのすり下ろしを入れるのですが、にんにくを控えめにして、りんごや梨を摺って入れてもいいでしょう。酵素の働きで肉が軟らかくなるのです。で、肉は冷蔵庫で最低2時間漬け込みます。
 さて焼くときは、まず、漬け汁をまずフライパンに少し移して、それで、もやしやきのこ類をしんなり炒めます。好みでピーマン、にんじんもありですが、シンプルに、もやしたくさんでもいいと思います。で、野菜がしんなりしたら、それを大皿に移します。野菜から出た汁はフライパンに残しておき、そこで、肉を漬け汁ごと炒め煮にします。トッピングは細い小ねぎを散らして。
 これを、コチュジャン、サンチュウで包んで食べる。あればエゴマの葉も。ごはんも一緒に包んで食べればなお食が進みます。